大阪府立環境農林水産総合研究所 訪問記


2025年大阪万博が開催されることが決まり、なんとなく活気が伺える大阪を訪れる機会があり、上記研究所を訪問しました。もちろんワイン関係の情報収集がメインです。神戸空港からポートライナー三宮経由、近鉄南大阪線古市駅まで全くなじみのない土地勘のないところをさまよって、何とか約束の時間に着くことができました。

ここでは農業大学校も併設されており、ワイン用ブドウ栽培も昨年から始まっています。また、試験免許ですが醸造免許も有していて、立派なワイナリーもあり、これを見学させてもらうのが主な目的でした。公設のワイナリーには備えるべき設備がすべて備わっているはずなので、今後のワイナリー設計に役位だてようという魂胆です。

食と農の研究部葡萄グループの谷本グループリーダーと研究員の三輪由佳博士にワイナリーをご案内いただきました。三輪博士は栽培担当ですが、学位を持っている研究者です。ここの研究所は栽培・醸造の学位を有している方を積極的に採用して大阪府独自のワインつくりを目指していますので、人員採用から気合が入っています。ワイナリー入ってすぐに大阪府内産のワイン陳列棚が迎えてくれます。

衛生面での配慮が入り口にもあり、手洗いの準備がされています(下の写真左)。最初の部屋はテースティングルームおよび講義室になっています(下の写真右)。グラス、シンク、洗剤、グラスコンテナなど必要なものが整理されていました。広さも80m2程度あり、官能試験なども実施できるだけの設備内容となっていました。

原料処理およびタンク室では、小ロットの醸造用に20リッター用のタンクが10個ほど配置されていました(写真左)が、既に醸造は終了していますので、中身はありません。写真奥に除梗・破砕機が見えます。入り口付近には水圧式の小ロット対応のプレス機が見えます(写真中央)。黒いバルーンに水圧を加え、外側のスクリーンとの間でブドウを破砕しジュースとするものです。隣の部屋はワイン貯蔵庫で室温は15度にコントロールされています(写真右)。大きなワインセラーという感じですが、贅沢さをも感じさせるつくりとなっていました。

次は検査室ですがさすがに研究所なので、大人数での講義や実習が可能なように作られています。また、検査機器も豊富にあり、アナログ形式での測定は皆無という状況でした。亜硫酸測定装置(写真左)、ホルモール態窒素測定装置(写真右)ワイン醸造過程でチェックしたい項目がこのような機器で測定可能であり、うらやましい限りです。特区での個人ワイナリーでは所有することが叶わないものばかりです。

続いて冷凍室(写真左)。ブドウを冷凍保存して好きな時期に醸造するというスタイルが可能です。これも素晴らしいideaです。実際、混雑する秋の醸造シーズンをずらして年明けから冷凍葡萄を用いてワインつくりをするワイナリーもあります。この隣室は冷蔵室で既に醸造中の試作ワインが数種類並んでいました(写真右)。

最後は保健所の目が厳しいシンク周りの写真です。これからワイナリーを計画する人にとっては、とても大事な情報が詰まっている写真となります。

ため息が出るような設備を見せていただくことができました。ワイナリーの理想形がここにあると言っても良いでしょう。栽培の畑と農業大学校、そしてワイナリー、さらにはコンテナーを利用した隔離栽培設備も完備していました。人はほとんどが学位を有している専門家を集めていることも驚きです。谷本グループリーダーと三輪博士にお礼を述べて研究所を後にしました。

投稿者: Tsukuba Vineyard

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