雨よけが欲しい!


7月の空梅雨から一転、8月に入ってからは晴天がないという農作物にとっては大変厳しい環境となっています。ブドウは8月の晴天で糖度が上がり、酸度が下がり、いよいよ仕込み近しとなる訳ですが、低温と雨、そして曇天ということになれば、病気の発生・成長不良という負の連鎖になります。葡萄の病気としては、私の圃場ではべと病と黒とう病を心配しなければなりません。収穫時期を想定して薬剤の種類を決めなくてはなりません。雨よけなしの露地栽培の限界ということになります。葡萄の露地栽培では、ワイン用ブドウとくにヨーロッパ系の葡萄が雨に弱く、したがって病気にも弱いという一般性があります。一方、日本の固有種である山ブドウや甲州、マスカットベーリーAなどは病気に強いという印象はありますが、必ずしもそうとは限りません。日本固有種でもベト病や黒とう病に罹っています。

今月初めに甲府の「ブドウ栽培のプロ」として名高い、池川ブドウ園さんの圃場を見学する機会がありました。やはり池川さんいわく、「ヨーロッパ系葡萄の栽培には雨よけは必須です」との説明がありました。少し写真をご覧ください。ブドウの房の上(写真1)、葉っぱでは2枚ほど上から圧さ0.1mmのビニールフィルムが固定されています。映っているブドウはシラーです。

垣根の支柱から見ると(写真2)ブドウの房の上40cm程度にビニール上部固定の番線、支柱には幅40cm程度のL型アングルが固定され、その両端に番線が結線されています。底辺2本、頂部1本の番線で3角形を作るように形成されています。ビニールの固定は洗濯バサミです。これは値段も安く、しかも設置に時間がかからず、固定もしっかりとしているなどのメリットがあります。

畝間から覗くと写真3のように見えます。

これでブドウを雨から守ることができます。簡易的な雨よけですが、十分目的を果たすことができます。垣根全体を覆う方法もありますが、設置費用が高く、設置に要する時間もかかります。垣根同士の支柱を細い単管で固定する(写真4)とより強固となり、台風時にも対応することができるとのことでした。

来年は必ずこの手法を取り入れ、雨に強い圃場を目指します。

 

投稿者: Tsukuba Vineyard

雨よけが欲しい!」に2件のコメントがあります

    阿部英次

    (2017年8月28日 - 2:45 PM)

    コンニチワ 「つくばワイナリー」さんでは、雨除けビニールを張るための専用金具(弓型)と、ビニールを番線に固定するナイロン製ロックを使用しています。 ご参考になれば・・・・・・。

    たかはし まなぶ

    (2017年9月6日 - 1:05 PM)

    阿部英次 さま

      情報ありがとうございます。雨よけは必須なので、来年に向けて検討を始めます。

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