白ワインの基本的な作り方は、除梗・破砕・圧搾して発酵タンクへという流れです。白ワイン用ブドウのジュース(ブドウの圧搾液)は酸化しやすく、見ている間にも酸化し褐色化することが言われています。したがって、この酸化を少しでも防ぐために、ドライアイスを使ったり、二酸化炭素を使ったりします。今日は二酸化炭素を使用しました。
10月1日に収穫したプティマンサンは3℃の冷蔵庫で冷やされて鮮度を保たれています。そのブドウを除梗破砕機に投入します(写真1)。梗から外されたブドウがつぶされてこの機械の下の大きなたらいに受けられます。1コンテナ90秒ほどで終了します。
ブドウジュースと破砕された果粒は手桶でバスケットプレスに移されます(写真2)。バスケットプレスは単純に詰め込んだ葡萄果粒を絞り、ジュースにする機械ですが、大きな水色のたらい(100リッター)にステンレスのザルを介して最終的なジュースが集められます。ザルはブドウの種や果肉が入るのを防ぐためです。この部分全体はビニールで覆われていますが、ザルの中に二酸化炭素ガスが注入され、酸化を防いでいます。二酸化炭素は空気よりも重たいため、このような上部を被覆するだけで本来の目的を果たすことができます。
このたらいで受けたジュースはポンプにてジャケットタンクに送られます(写真3)。左側のタンクがプティマンサン用です。タンク中央部に凸凹上に見える箇所がありますが、これは冷水を流してタンクを冷やすジャケットと呼ばれる部分です。白ワイン製造には欠かせないタンクです。
タンクの上から液面を見ると(写真4)のように見えます。液体でのブリックス糖度は24度、PHは2.7という糖度・酸度とも良い状態のプティマンサンです。
写真5はジャケットタンクに冷静を循環させているチラーというシステムです。地下水をくみ上げ、冷やし、循環させる部分から成り立っています。
こうして絞り終わったカスはケーキ(写真6)としてみることがでできます。
4年目のプティマンサン、バラ房に近い状態で、収量が思ったほど取れませんでしたが、ワインとしての期待が高まります。酵母の作用によってアルコール化が起こりワインになりますが、どのような味わいのワインになるかは予想できません。
「プティマンサン仕込み開始!」に3件のコメントがあります
ノブ
(2017年10月7日 - 12:52 PM)お疲れ様でした
質問なのですが、酵母は、どのタイミングで入れるのですか?また、培養酵母ですか?
高橋
(2017年10月7日 - 8:56 PM)ノブさま
冷蔵庫保管している葡萄なので、温度は3~4度程度になっています。除梗・破砕・圧搾でほぼ15度程度まで上昇しますが室温よりは低い状態です。タンクに入れてチラーで15~18度程度に落ち着くまで1晩待ってから培養酵母を加えます。この段階では少量の酸化防止剤も添加します。タンク内にはあらかじめ炭酸ガスを封入しておきますので、タンク内にブドウジュースを入れ終わった段階でエアロックをセットしていきます。この段階ではタンク内に空気が入り込むことはありません。白ワインの仕込みはかなり気を使う作業となります。
ノブ
(2017年10月9日 - 9:06 PM)ありがとうございます
まだ、色々聞きたいので、お会いした時に伺わせてください