2月18日、水戸京成ホテルにて「第2回いばらきワインサミット」が開催されました。今回の主要テーマは「いばらきワイン産業連絡協議会の発会式」です。ワイン関連産業としては国内において完全な後発組ですが、醸造用ブドウ生産者、酒販店、県庁や自治体の農業関連や産業振興関連部署、国税庁などから60名を超える方々の参加があり、「ワイン関連産業を軌道に乗せたい、乗せなければ」という方々の意気込みを感じさせる発会式となりました。
以下のポスターにあるスケジュールにて議事が進行しました。
役員として、以下の方々が承認されました。会場からは、すでに茨城県内にて操業している大手の会社にも役員に入ってもらう必要性も問われました。その通りと個人的には賛成していますが、新規産業の連絡協議会としてスタート台に立つことが今回の発会式ですので、今後の参考として考慮しなければとも感じました。
会長 西村勝夫 八千代ワインチャレンジ会
副会長 岡崎正光 つくばワイナリー
〃 宮本鉱太郎 ドメーヌ水戸
〃 塙 博光 笠間ワインを楽しむ会
監事 高橋 学 Tsukuba Vineyard
〃 澤木 薫 八千代ワインチャレンジ会
来賓のあいさつでは、国税庁関東信越国税局の酒類業調査官から日本ワインの表示ルールや管内のワイン生産に関する話題のほか国税庁主催のワインに関するシンポジウム(以下のポスター参照)などの照会がありました。
ワインによる税金の増収に一役買おうという意気込みを感じました。参加者の多くの方々が抱く意気込みとは別次元の意気込みですが、ベクトルは共有できますので、大変ありがたいことと思いました。併せて「関東甲信越ワイン醸造研究会」が5月23日にさいたま新都心合同庁舎で開催されるアナウンス(以下のお知らせ参照)もありました。ご興味のある方はぜひスケジュールしてください。
発会記念講演会として、水戸出身でシャトー・メルシャン製造部長の安蔵光弘さんから茨城県産ワインの可能性に関する講演がありました。前半はご自身が4年間の研修を積んだボルドーの歴史や栽培・醸造に関する内容であり、後発組である茨城県が取り組むべき・考えるべき姿勢に関する示唆に富んだ内容でした。後半では茨城県の気候風土から考えた栽培品種、大消費地である東京圏からの距離、食とのマリアージュ、コスト低減のための方策、そして隣のワイナリーではなく、海外のワイナリーと勝負する意識改革が必要であることが述べられました。海外の事情に精通し国内にて栽培から醸造までを深く経験してこられた方の設置力のある内容でした。大変勇気づけられましたが、ハードルも大きいことに気が付きました。私がやれることは小さなことですが、一歩一歩着実に取り組んでいくしかありません。決意を新たにした次第です。
連絡協議会の会則第20条では、顧問を置くことができる規定がありますが、茨城県議会議員の村上典男さんに就任していただきました。ご自身もブドウ栽培を行っており、ワインにも精通している方であり、適任といえると思います。懇親会の席では早速活動を開始され、県庁の方々と工業試験場におけるワイン試験醸造の設備や人員、栽培指導に関する内容を話し合われていました。茨城県の工業試験場にはワイン醸造関連の設備がありません。ワイン産業を下支え、もしくはけん引する立場として、工業試験場の役割に期待することは多々あります。ワイン生産者だけでは到底解決できない多くの栽培や醸造に関する問題点を洗い出し、それに着実に対応できる組織や設備の導入はまさしく県レベルでの仕事になります。この道筋をつけてくれるのが顧問である村上さんの大きな仕事となります。即、仕事をしていただいていることに多くの勇気をもらいました。
少し長くなりましたが、「いばらきワイン産業連絡協議会」の発会式の様子をお知らせいたしました。県レベルでの新しい産業の創出であることを強く意識して、行政の方々との情報交換を常に行いながら、茨城県に合うブドウ品種の選抜といいワインの提供を目指したいと思います。