3月末の定植後、まとまった雨が無く、5月上旬の日曜日、農場作業に入る前に水撒きをしました。その結果、元気に成長・展葉する葉を確認することができました。5月大型連休初日の遅霜にやられたかと思っていましたが、水不足が原因と分かりました。
今まで、目にすることはあったのですが、ブドウ樹のそばに直径30~40mm程度の比較的大きな穴が開いているのを頻繁に見かけるようになり、モグラが活発に活動しているのだろうと考えていました(写真左)。ハサミの左側に空いている穴です。これがブドウ樹の周りだけではなく、いたるところに空いていました。モグラの穴であることはすぐわかるのですが、穴をトレースしてみました(写真右)。これは八千代の西村さんの圃場ですが、ミミズを追い求めているモグラの動きが想像できます。
4年経過した立派な甲州ですが、実はこのモグラの穴が原因で、水不足状態が長く続き、ブドウは休眠状態が続くという現象が起きています。萌芽が始まっていないのです。私の圃場でも同じ現象が起き、今年定植した苗木に至っては極度の乾燥と水不足から休眠打破できず枯死に至るケースも散見されています。
春先の休眠打破には水の存在、土の含水比が大きく影響するということは山梨の栽培専門家の先生から教えられていましたが、現実を見せつけられてしまいました。今までは偶然にもうまくいっていたものの、今年は水不足による影響をまざまざと体験することになりました。改めて山梨県が発行している栽培の手引きを参照すると、春先の潅水に関する内容がきちんと書いてありました。
有機質飼料の投入により、ミミズが増え、土壌の団粒化を促進して保水性・排水性の構造がしっかりでき、微生物の住みかも確保されている理想的な状況が出来上がっていたのですが、モグラさんの出現による地中の変化に気づくことなく居たのが敗因です。畑の含水比に注意しながら潅水を行うのが正しい農業です。しっかりと勉強したいと思います。
一方で、新たな動物の挑戦も受けています。ウサギさんの存在です。連休中の農作業中に子ウサギさんを見たことをブログに書きましたが、今日は明らかにウサギさんに捕食された痕跡を見つけました。枝の中央部分に白く見えるのがそうです。刃物で切り込んだような跡が残っています。
ネズミもモグラもウサギも畑から追い出すことは容易ではありませんし、広い畑の中を移動することで彼らは畑に存在し続けることになります。ここは、共存することを考えなければなりません。薬に頼る選択肢は選びません。農家としての注意力と予防で対応することを選びます。