葡萄の茎の内部構造―μフォーカスX線CTによる精密構造観察


-その1 甲州―

以前、HPにて葡萄果粒の内部構造を紹介させていただきましたが本日は茎の内部構造を観察してみました。撮影に協力していただきましたのは 株式会社テスコ(http://www.tesco-ndt.co.jp/)、撮影に用いた装置はTXS225-ACTISです。

X線CTは計測物理量としては「密度」になりますので、得られた画像は密度構造を示しています。CTですので、3次元的な情報量を有していますが、写真や絵としてお見せするのはあくまでも2次元情報です。PC上で奥行き情報や回転させながら観察することは可能ですがHP上では2次元情報のみとなります。ゆくゆくは動画を乗せられるようにするとぱらぱら漫画よろしく奥行き情報も見ることが可能となります。

さて、早速画像をご覧ください。甲州の枝の断面CT画像です。また、写真では撮影に用いた甲州の枝とスケールとしての1円玉です。1円玉の直径は20mm丁度ですので、甲州の茎の直径はおおよそ10mmとなります。

取得した画像のサイズが14.2mmですので、得られるCT画像の最少分解能は14.2ミクロン(1/1000ミリ)ということになります。画像の黒い部分は密度が低いことを、白いところは密度が高いことを示しています。今までのどんな解説の絵よりも詳細にそして鮮明に再現していることがわかります。

一番外側は表皮ですが、右下の部分では薄く剥がれている様子が確認できます。その内側は割った竹を並べたように整然と並んいることがわかります。この割った竹のような層が少なくとも3層あることに気づきます。基礎的な勉強が足りず、専門的な解説はできませんが今回は観察に主眼を置かせてください。専門用語も特に示さずに初めて見る茎の構造をお楽しみください。さらに内部は大きく中心部の黒い部分が髄、そして表皮と髄との間は細い管(導管)が同心円状に並んでいます。この細い管は水分や栄養分を運ぶ役目を果たしています。以下のような点が気づきます。

茎の断面の11時~1時、5時~7時はより大きな導管が、2時~5時および7時~11時にはより小さな導管が分布する

  1. 髄の内部も白い部分と黒い部分、すなわち何らかの通路としての空隙が存在するもののこの断面内での連結性は少ない
  2. 髄の形状が横長、上下部で圧縮したような扁平な構造を呈しているが、茎全体では上下が広く、左右が狭い扁平構造を示している。
  3. 放射状に存在する導管の間には密度のやや低い領域が存在する。導管の間を埋める白い部分(木部)よりも密度が小さい

わからないことばかりですが、単純に美しいこと、幾何学模様がきれいであることなど驚きの連続です。次回以降、異なる品種や芽座の構造にも言及いたします。

 

投稿者: Tsukuba Vineyard

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