第一農場土壌および地下水調査開始!


北風が冷たい日でしたが、日大理学部の4年生二人が卒論のためのデータ取得として、第1農場の地下水調査と土壌調査のためのサンプリングを実施しました。土壌の物理的特性と水質・水分量からブドウの成長に及ぼす影響を調べるべく、上記サンプリングの実施となりました。12月の卒論のためのデータ収集は少し遅すぎますが、私は指導教官ではないので、責任はありません。作業に入る前に、「私の質問に対する回答は卒論の点数に反映されますよ!」と4年生を脅しておきました。早速、土壌サンプリングですが、対象としたのはメルローの倉庫側に近い個所と離れた道路側に近い個所の2地点。倉庫に近い個所のブドウの成長が良いことは既に分かっていたのですが、具体的に土壌や地下水・水分量における差異がどの程度あるのかを今回確かめることになりました。

二人で土壌サンプリングしている状況(写真1)です。

写真1

続いて、農場内に2か所ある井戸の水サンプリング(写真2)です。右手の水口君が持っているのは採水管です。これを井戸の中に沈めていくと水が回収できる仕組みです。彼が右手に持っているのが水質計測器で、水温・PH・EC(電気伝導度、水中の溶存イオンの量に依存する数値)を数分で計測することができます。なお、ECは通常硝酸体窒素、すなわち土壌中に溶け込んでいる肥料成分の指標として用いられます。

写真2

農場倉庫北側の井戸はケーシングが19mまであり、水位は地下8mにありました。夏場には5mに水位がありましたので、冬場には3m下がったことになります。この井戸における水温は16.2℃、pHは7.3でした。意外だったのは、地下水が中性から少しアルカリ側にあったことです。火山灰土壌の地下水ですが、深度は20m以上ありますので、古い時代(深い深度の地層)の水の影響があるのかもしれません。このpHならブドウに散水してもいい影響が出そうです。

続いて、第2農場西側の地下水サンプリング(写真3)です。ここは井戸深さがわずか3.5mしかないのと、ほぼ粘土中にあることです。水温は16.3℃、pHは6.6でした。pHは酸性側にあり、最初の井戸との違いが明らかとなりました。

写真3

水質の詳細分析はこれからですが、結果が楽しみです。彼らの卒論ができましたら、結果の詳細をお知らせいたします。本日は速報です。

計測終了後、倉庫に戻る途中にハマーに乗ったシニアマーク付きのお客さんが現れました(写真4)。とてもシニアとは思えませんが。

写真4

投稿者: Tsukuba Vineyard

第一農場土壌および地下水調査開始!」に1件のコメントがあります

    ノブ

    (2017年12月24日 - 2:16 PM)

    面白いですね、結果楽しみにしています。

    ノブ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です