以前、お手伝いにいらしていた中江寿子さんが、瀬戸内の鞆の浦(とものうら)近くにて、ワイン用のブドウ栽培をスタートされました。
鞆の浦は、広島県福山市、沼隈(ぬまくま)半島の南端に位置する港町で、瀬戸内海のほぼ中央に位置し、潮流が東西に分かれる穏やかな入江は古くから「潮待ちの港」として栄え、歴史情緒をたたえた美しい街並みで知られています。崖の上のポニョの舞台にもなりました。
その鞆の浦から車で5分ほどの小高い山の斜面に中江さんの圃場はあります。中江さんご夫妻は今年の初めに東京から拠点を移され、以前は果樹などが植えられていた段々畑を整備して、今春にブドウを定植されたばかりです。瀬戸内の温暖な気候と土壌の性質から、プティマンサンやアルバリーニョといったヨーロッパ系の白ワイン用ブドウ品種を中心に栽培されており、カベルネ・フランやシラーなどの赤ワイン品種も植えられています。今後はワイナリーを造り、ワインの醸造も計画されています。
何と言っても山の中腹にあるブドウ畑からの眺めは素晴らしく、瀬戸内海を一望できる素晴らしいロケーションです。青い海と緑豊かな自然が織り成す景色は、息を呑むほどの美しさです。この環境の中でブドウがどのように成長し、どんな味わいを持つワインを生み出すのか、想像するだけでワクワクさせられます。
中江さんのワイン作りの旅は始まったばかりですが、中江さんの情熱とこだわりにより、きっと素晴らしいワインが出来ることと思います。鞆の浦の美しい風景と共に、そのワインを味わえる日が来るのを心待ちにしています。