苗木屋さんから台木に接ぎ木したブドウ苗木の購入ができないことはすでに何度か書きました。今年も状況は全く同じで、改善の兆しはありません。日本中でワイン用ブドウの定植が大手メーカーさんから私のような個人の小規模農家を含めて盛んに行われているのが原因です。しからば、自分で苗木を増やすしかありませんが、病気に強い台木さえも入手不可能となれば、挿し木をするしか方法がありません。冬に選定した枝(穂木)を切断して土の中に挿していく方法です。写真はこの方法で順調に生育している山ソービニオンの挿し木です。芽が動き、しっかりと葉が広がってきています。中には小さな葉のそばで実がなっているものもあります。こんな姿を見ると、ブドウの強さを感じると同時に愛おしさも沸いてきます。
自分の穂木だけでは足りないので、他の栽培農家さんから分けていただいたものも挿し木を行いました。さらにヨーロッパ系のカベルネソービニオン、シャルドネ、メルローなどのスタンダードな品種も苗木屋さんから分けていただき、高畝黒マルチに挿し木を行いました。ところが、1本も芽が動かず、すべて挿した時の状態のままです(写真参照)。
1か月以上経っても状況は変わることなく、苗木屋さんに連絡すると、「保管状態が悪く、乾燥しすぎたせいではないか」とのことでした。もちろん、私のところでの保管ではなく、苗木屋さんでの12月から4月過ぎまでの保管状態のことです。「返金いたします」との返事ですが、私としてはお金が戻って来ることは当然ですが、1年間定植を遅らせることになり、その失望感は返金で帳消しにできるものではありません。かくなる上は、苗木屋さんの穂木以外の挿し木を充実させ、来春の定植に臨むほかありません。
保管の件ですが、今年は直径30cmほどの束にしたブドウの穂木を畳表で巻き、地中40cm程度に埋めておきました。古くから行われているこの方法が最も安定した環境を形成していることを実感しました。濡らした新聞紙でブドウを巻き、ビニールで包んで冷蔵庫の野菜室にて保管した穂木は地中保管したものよりも、芽だし率が落ちることがわかりました。すべて経験するしかないと思いました。
「挿し木の現状!」に1件のコメントがあります
ノブ
(2016年6月6日 - 7:36 AM)悲しいですね、、
お金の問題じゃないです
Time is money
1年間を思うと、心が痛みます