ブドウは乾燥に強いと言われていますが、各成長過程においては水分の供給が重要になっていることを初めて勉強しました。テキストは社団法人 山梨県果樹園芸会から出されている「葡萄の郷から~おいしいブドウのできるまで~」です。茨城県ワイン産業連絡協議会のテキストとして採用されたものです。基本は生食用ブドウ栽培者向けに作られたものですが、醸造用ブドウにも適用できるだけの基本的な内容が網羅されています。ご興味のある方は農文協から購入できます。
水といえば、ここつくば市栗原の農場では井戸がありません。灌水のための水もそうですが、消毒作業などにおいても水は大変使います。現在、消毒作業はSS(スピードスプレーヤー)という機械で行いますが、タンクは500リッターです。これを2回使いますので、合計1kリッター使用するということになります。その都度、軽トラに500リッタータンクを乗せ、水汲みに出かけなければなりません。将来的なことも考え、井戸掘りは必須と考えていましたが、中々実施できないでおりました。
7月末からとうとう井戸掘りをスタートさせました。第1農場倉庫近くの一番標高(22~24m程度)のある所での実施となりました。実は1年以上前から計画はしていたのですが、中々スタートすることができずにいました。
写真(1)はロータリー式ボーリングマシン(中央の3本の杭で固定されているもの)と右側に水タンク(200リッター)の全景です。
写真(2)は実際に掘削している状状況で手前の泥水ポンプで掘削水を送り、ビット先端から掘削水が掘削穴に満たされ、地上に泥や砂と一緒にでてくるという循環が成り立ちます。
ボーリングの方法としては最も簡単で基礎的な方式です。現在、水がある地層(地下13m)までの掘削は終了しているのですが、掘削中に掘削水がなくなる(専門用語で“逸水”といいます)現象が起きています。11~12.5mあたりの砂の層で逸水が起きているようですので、ベントナイト(細かな粘土)という膨張する粘土を入れて逸水箇所の止水を行っている状況です。この層での逸水が止まれば、深度20mまで掘削して、厚い砂の層まで掘削します。ここに到達すれば間違いなく十分な水をくみ上げることができると思います。近々の達成が待たれます。
ブドウのベレーゾーンが至る所で始まりました。写真(3)をご覧ください。定植2年目の山ソービニオンですが、ベレーゾーンの様子もわかりますが、房の重さで番線が垂れ下がっているのがわかると思います。かなりの豊産性です。お盆前までに枝の上部になった房を落とさなければなりません。
草の成長は早く、葡萄の房に届いている状況です。一人での草刈りでは限界がありますので、週末5,6日には草刈りの応援をお願いいたします。ご都合のつく方は農場までおいでください。手鎌、エンジン式刈払機、走行型モアなどにおける除草を実施します。