日本葡萄愛好会の総会・見学会・懇親会・研修会に参加して


8月19,20日に栃木県ココワイナリーにて開催された上記会合に出席してきました。日本葡萄愛好会とは、前理事長・澤登晴雄氏の呼びかけに集まった数十人の人たちが結成した日本葡萄品種愛好会(1961年(昭和36年))がスタートとなります。故澤登晴雄氏は日本の風土に合ったワイン用ブドウの品種開発を行い、同愛好会の発展の基礎を築いた方です(同会50周年記念誌、「日本葡萄愛好会の半世紀―ヤマブドウ系ブドウの栽培とワイン生産の軌跡」より)。巨峰をはじめ、国内における生食用・ワイン用ブドウの育種・栽培を実践してこられた育種家および農業者の集団でもあります。

なぜ、このような歴史のある会に入会することになったのかは、今年2月に広島酒類総合研究所で開催されたワイン講習会での「小公子」ワインとの出会いにありました。日本の山ブドウを中心とした各種山葡萄の混醸であるチレンセ河原「小公子」を試飲して、今までに飲んだ赤ワインで一番おいしいワインとの印象を強く感じたからです。「このようなブドウを育て、自分でもワインをつくることができたら」との思いが、同会への入会という形でスタートしました。日本の山葡萄はシベリア原産地(アムレンシス系)の流れを汲んでおり、日本国内で13~15種類が確認・分類されています。北は稚内から、南は石垣島まで広く分布しています。日本の気候・土壌に合わせた形でブドウの系統が受け継がれていることは、栽培管理からすると極めて優れているということになり、このブドウを用いたワインの品質の良さを納得することができます。地産地消の典型的な事例ということもできます。

さて、当日の研修会の様子をお知らせいたします。会員の自慢のブドウを持ち寄り、栽培者から説明を受け、質疑応答をしていきます。

雨よけ、防除、樹の仕立て方、など細かな条件の説明があります。驚くことに、ほぼすべての方々が雨よけ、無農薬という方法での栽培を実践されています。中には、施肥も全く行わないという方もおりました。ビニフェラ(ヨーロッパ、厳密には中央アジア)系ブドウの露地栽培で防除の苦労を強いられている弱輩農業者には本当に驚くべきことです。「有機栽培、無農薬」という言葉は理想であり、現実ではあり得ないとまで信じていたのですが、まさしく「目からうろこ」状態です。

当日、私が一方的に惚れ込んでいる山葡萄交配種「小公子」を持参していただいた5名の方々のブドウの写真をそれぞれご覧ください。

投稿者: Tsukuba Vineyard

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です