午前3:30起床。4:45つくば市並木2丁目発羽田空港行きバスに乗車。6時前に空港到着。7:10発出雲空港行きに搭乗。フライトは順調で予定時刻8:35に出雲空港に到着。空港では、来待石でできた恵比寿さんの歓迎をうける。
来待石は島根を代表する石材で江戸時代から庭石・石灯籠として珍重され、藩直轄の管理下に置かれていたほどの貴重品でした。横浜の伊藤さんと伊藤さんのおじさんにあたる原田さんと合流し、奥出雲ワイナリーへ。ワイナリー長・安部さんとのアポ時間には少し余裕があったので、醸造設備以外の施設を見学。地下の資料室およびセラーやレストランを見学。
今回の訪問の目的は、山葡萄交配改良品種「小公子」のすべてを見せてもらうことでした。木の仕立て、設備、雨よけ、防除などの詳細を安部さんから教えてもらうことでした。お忙しい中、安部さんは約2時間近くを割いて、丁寧に対応してくれました。今まで、これらの具体的な方法が見通せず、悶々とした状況が続いていましたが、安部さんの詳細な説明から今後の準備段階を見通せるまでになりました。これらの詳細な説明はこの紙面では省略しますが、今後農場での作業時には少しづつお話します。
農場の全景、
最後に見せていただいた圃場は風化花崗岩(マサ)であり、かなり水はけがよさそうです。花崗岩が熱変成を受け鉱物粒子がバラバラになり、砂化したものであり、ブドウにとってはかなり良い土壌となっています。
定植後2年目の苗木ですが、かなり成長が良く3年目の来年からは収穫ができます。圃場での説明が終わり、ワイナリーへ戻るとき何とも気持ちの良い青空と、ブドウの樹これらに良くマッチしたワイナリーの全景が見えました。
ワイナリー内部の説明へと移り、自動瓶詰機、タンク類、そして売店と地元島根県の木材をふんだんに使った素晴らしい空間の数々でした。
薪ストーブの前では、創業者である佐藤忠吉さん(101歳)が出迎えてくれました。伝説の人と言ってもいいほどに、島根県の農業に貢献し、特に酪農から始まり、ブドウ栽培、ワイナリー創業と完全有機栽培に基本を置いた信念を貫き通した方です。
名刺をお渡しすると、「商売敵ではないか」と冗談を言う柔らかな一面も持っている方でした。もう少しゆっくりとお話をしたかったのですが、時間の関係でご挨拶をしてワイナリーを後にしました。
今年の2月、広島の酒類総合研究所にて「小公子」のワインに巡り合い、「これだ!」と感じてから、農場作業の休憩時間に話続けてきたことが、来年2020年の苗木の購入に結びつき、そして具体的な設備・雨よけ・仕立て・防除の具体例を見聞するところまでたどり着きました。この間、たくさんの人に知り合い、そしてお世話になりました。快く話を聞いていただき、栽培の経験を伝えていただいた皆様に深く感謝する次第です。