ワイナリー予定地における作業用の水の確保は重要であり、準備をしておく必要があります。そこで、12月11日から予定地の一角で準備作業がスタートしました。どこの地層に水があるかは周囲の地形や地質、そして重要なのが集落での地下水利用の実態を把握することです。専門家の鹿野さんよりレクチャーを受け、近くの集落の水事情を観察することから始めまました。普段、何気なく眺めていたため池や神社(お社)は地下水と重要な結びつきがありました。集落が形成されるためには水が安定的に供給できる場所を選ぶこと、その場所を神聖なところとして保全する必要(お社)があり、そして農業(稲作)を安定的に行うためにはため池の作れる地形的な場所が必要となることです。井戸掘りの原点はこの先人が経験してきたことに学べばおのずと解決策が見つかるということを今回学びました。
ということで水が出ている場所に畑を移動することはできないので、ボーリングマシンで掘削するという方法を取ります。作業中の様子は以下の通りです。
この地区(つくば市内のほとんどの地域)は古い鬼怒川の河川堆積物によって形成されていますので、最初は川砂が出てきます。この地点では深度10m以深からは海生層の砂が出てきます。深度18m付近からはより細かな砂が出てきて掘進が進まないことから、ボーリング掘削を中止して、揚水試験を実施しました。深度6mから1インチ径のポンプで30分揚水しても水深は3.5mから変動することなく安定していました。よって、この間でのストレーナ設置で問題なく水は安定的に利用できると判断しました。深度6~10m区間にストレーナを設置してφ75mmの塩ビ管でケーシングを行いました。利用する時はエンジンポンプでくみ上げることになりますが、これで一応の完成です。
プロの指導の下、挑戦してはいるのですが、なかなか思い通りに水は簡単に出てくれるものではなく、トラブルに遭い立ち止まり解決策を模索しながらの井戸掘りでした。