ノブさんからもコメントが寄せられていますが、「日本のテロワールの解明」というとても大きなテーマに挑戦していることは、少なくともこれまでに系統的にデータ収集を行っていなかったことからすると「一歩前進」と言えます。このシステムではデータベース管理は農研機構北海道農業センターが実施しています。
研究開発自体は酒類総合研究所を代表とする日本ワインコンソーシアム(地域戦略プロH28-30)によって既に開発されたデータベースをもとに、「日本のテロワールの解明」のために全国展開して各地のデータ蓄積を図ろうというものです。DBは大きく2つから構成され、気象データによる各圃場の気象環境の把握が可能になること、そしてブドウの生育予測情報(開花期の予測、ヴェレーゾーン期の予測など)の提供が可能となることです。このような予測が可能となるのは、現時点では16品種(シャルドネ、ピノブラン、ピノグリ、ピノノワール、メルロー、甲州、清見、などなど)に限定されますが、今後データ提供する圃場が増えれば他の品種に関しても予測式の構築が可能となります。ここまでは、データ数の拡大と予測式の構築という結果が見える形ですが、課題はこれらの知見から「日本のテロワールの解明」をどのような道筋で行うかだと思います。この点はまだ明らかになっていません。テロワールには各圃場の土質や水質も大きく関わることから、今後これらのデータ収集方法を含めた議論が必要です。
ということで、これをやれば日本のテロワールの解明ができるという話ではありません。少なくとも気候変動を含めた気象の条件変化が同一ブドウ品種に与える影響を、日本全国に分布する各圃場データをもとに考察したいという方針は見えています。ノブさんのコメントに対する正確なお答えになっていませんが、現状はこの程度です。これからというのが正しいと思います。私はこのプロジェクトに参加してデータ提供をしながら、「日本のテロワールの解明」がどう具体化されていくのかを眺めてみたいと思います。
4月12日の農場の様子をご覧ください。草刈りが行われ、すっきりとしたブドウ周りと倉庫わきの芝桜がきれいです。
「ワイン用ブドウ栽培支援情報システムについて」に1件のコメントがあります
ノブ
(2020年4月21日 - 3:51 PM)高橋様
ありがとうございます!
これはすごい!!
色々と拝見させていただきます