「しんしん」という農業用資材一般を扱う店に土壌診断を依頼していました。昨日、その結果が戻ってきました。「―その1」で報告した南側の土壌と北側の土壌では、カリ(交換性カリ)に明瞭な差異がありました。南側ではカリが過剰となっていました。北側は正常な範囲です。少しネット検索をかけ、勉強をしましたが、以前の肥料(化成肥料と有機肥料の双方)による土壌内での蓄積が原因と思われます。近くで野菜を作っている年配の方にお聞きしたところ、10年以上前耕作者が化成肥料を相当使っていたという話を聞きました。カリは土壌中で(ー)イオンと結合すると簡単には土壌中から排出されませんので、簡単な解決策はありません。無機態化して、植物に吸収されるのが一番確実な方法です。そのためには微生物による活動を活発化させる必要があり、有機肥料の投入も必要です。有機肥料には3要素のカリも当然含まれるので、簡単な速攻の解決策はないのが現状と思います。ちなみに私が用いている完熟牛糞堆肥にはN・P・Kがほぼ0.7%づつ含まれます。施肥の基準では1ton/10a(1000kg/1000m2)となりますが、私が用いている量はせいぜいこの1/10~1/20程度です。少しずつではありますが、土壌の微生物を増やし、団粒化を促進し、土壌の物理的特性を向上させながら植物にカリを吸着してもらう他なさそうです。今回の土壌診断の結果からの教訓として、土壌診断の数値に一喜一憂しないこと、基本はブドウに適した中性からアルカリへ移行させること、土壌の物理的特性を改善することに要約されます。この手法としての草生栽培、苦土石灰の使用と少量の有機肥料の施肥を長く続けることに尽きると現時点では判断しています。素人判断ですが、数値に惑わされ、種々の肥料を与えてしますことだけはしないようにしたいと思います。10年以上耕作放棄地になっていた土壌の診断も行いましたが、驚くべきことにほぼ正常な範囲に収まっていました。化学農法の限界かもしれません。
写真は日付が古いのですが、第1農場の冬景色で、現在もほとんど変わっていません。近況は近いうちにupします。